香りを楽しむおすすめの植栽

お庭の彩りとして欠かせない色とりどりの植栽。お花が咲いたり紅葉する品種だとお庭に季節感が出て、四季の移ろいも感じられます。でも植栽の魅力は目で見るだけではありません。香りを放つ植栽なら、五感で楽しむことができますよ。

「三大香木」という言葉をご存知ですか？香りの強い花を咲かせる植栽の中でも代表格の3種で、キンモクセイ・クチナシ・チンジョウゲが三大香木と呼ばれています。そこで今回は香りでお庭に季節の変化を知らせてくれる、お庭で香りを楽しむ三大香木をご紹介いたします。

①キンモクセイ

秋になると甘く芳しい香りを放つキンモクセイ。香りが強いので、離れていてもキンモクセイの存在を感じることができます。風水では金運アップの植栽としても知られているんですよ。病害虫にも強く育てやすいので、街路樹としてや公園に植えられているのもしばしば見かけます。秋に開花し、香りを放って季節の変化を知らせてくれるキンモクセイですが、実は開花期間は1週間ととても短く、香りを楽しめるのもその時期だけ。雨にあたっても花が落ちてしまう、はかないキンモクセイですが、お庭の秋の風物詩としてもおすすめの植栽です。小さなオレンジ色の花がとってもかわいらしいので、お庭の彩りとしてもぴったりですよ。

②クチナシ

初夏に花を咲かせ、甘い香りを漂わせるクチナシ。正式名称はGardenia jasminoidesといい、この後半のjasminoidesは「ジャスミンのような」という意味で、ほのかにジャスミンのような香りがします。甘くエキゾチックな香りが特徴で、シャネルなどの有名ブランドで香水の原料としても使われているんです。花の姿が見えなくても道端で香りだけ感じることもあるほど芳香性の強いお花で、クチナシはバラのようにたくさんの品種が開発されており、大輪の花や八重咲きの品種まで様々。葉は葉脈がはっきりとしたつやつやの質感が特徴で、秋には実もつけます。食品の原材料名で「クチナシ色素」という文字をご覧になったことがあると思いますが、あれはクチナシの実から抽出された天然の着色料。乾燥させた実は漢方にも用いられ、活用の幅が広い植栽として知られています。キンモクセイ同様、花もちはよくありませんが、一年に一度のお楽しみとしてお庭におすすめの植栽です。

③ジンチョウゲ

ジンチョウゲは真っ白な花の品種と薄いピンク色の花を咲かせる品種があり、香木の沈香（ジンコウ）とスパイスの丁字（チョウジ）の薫りに似ていることからこの名称がつけられたといわれています。ご紹介した3つの香木の中でも最も香りが強く、一番遠くまでその香りが届くといわれているほどです。甘く万人受けする香りですが、ジンチョウゲの花や根には毒があるといわれています。小さなお子さまやペットのいらっしゃるお宅で栽培する場合には注意は必要です。春の訪れと共に甘い香りを運んでくれるジンチョウゲ。お庭の植栽におすすめです。