丈夫な宿根草「サルビア」の花の種類や育て方のポイントをご紹介！

こんにちは、ガーデンプラスの中川です。
暑い日が続きますが、ガーデナーの皆さんはそろそろ秋まきの種や球根を準備する時期ですね。夏から秋の間は暑さ疲れからか花も休みがちになり、花壇が少し寂しい時期。しかしこの時期でも花が咲くセージ・サルビアを今回のブログでご紹介いたします。今までも何種類か取り上げてきましたが、強健で育てやすい種類が多いので、初めて庭植えに挑戦される方にもおすすめです。

サルビアというとふっくらした真っ赤な花「サルビア・スプレンデンス」をイメージされる方が多いと思いますが、実はシソ科アキギリ属の総称。セージとも呼ばれ、現在900種類ほどある大きなカテゴリです。寒さに弱い一年草扱いの品種から、株元が木化して低木状になるものまで様々な品種があり、花色やサイズなども多種多様。穂状の花は花壇にタテのラインを作ってくれるため、とても重宝する存在です。今回はバリエーション豊かなサルビアから、入手しやすいスタンダードな多年草タイプの品種をご紹介してまいります。

ネモローサ系は切り戻しに強い強健品種です。春先から咲きますが、切り戻してもまた繰り返して咲いてくれます。草丈は50センチほどとコンパクトで耐寒性も強く、日当たりの良いところへ植え付けるとドーム状にこんもり育ちます。ナチュラルな雰囲気の花壇におすすめです。写真は白花系の「スノーヒル」という種類ですが、他にも青、紫といった花色があります。

地下茎で増えるタイプのサルビアで、群生するように咲く姿が美しいです。草丈はやや高く、花茎を伸ばして咲きます。茎はそれほど強くないので倒れることもあり、風にゆらゆらと揺れる姿が涼し気です。夏から秋まで長期間咲き続け、サルビアにしてはやや乾燥を嫌います。冬には地上部が枯れるので、植える場所にご注意ください。

葉や茎からフルーティーな香りがすることから、パイナップルセージとも呼ばれるエレガンス系。短日性植物で10月から11月に開花し、温暖地・暖地であれば冬越しします。よく出回る「ゴールデンデリシャス」は、赤い花ももちろんですが、明るい緑の葉も美しい品種。短日性植物のため、開花期は秋口頃からで、草丈は1.3メートルほどとやや大型に育ちます。

花や葉からさくらんぼのような甘い匂いがすることからチェリーセージと呼ばれます。ミクロフィラは茎が木化してしっかりボリュームが出るタイプ。中でも代表的な品種が「ホットリップス」で、赤と白のバイカラーが可愛らしい印象です。開花期は5月～11月ですが、真夏は花付きが悪くなります。穂につく花自体は少ないため、ナチュラルな雰囲気のお庭におすすめです。

短日性のサルビアで、開花期は秋頃（我が家では春先・秋と2回咲いてくれました）。紫色に見える部分はガクで、起毛しているような肌触りです。根本はしっかりと木化してよく分岐し、剪定にも強いです。これといった病害虫もなく冬もシルバーリーフをつけたままこんもりと育ってくれますが、かなり大型になるので植え付ける際はスペースをとってください。

シックな青紫の大きめの花が咲くサルビア・ガラニチカ。四季咲き性で、成長する間は次々と花が咲きます（撮影は昨年9月中旬）。草丈も1.5メートルほどと大型になりますので、庭植え向きです。個人的に暗い花色の宿根草は珍しいなあと思っていまして、和風のお庭にも合いそうです。

様々な種類があるサルビアですが、一年草と宿根草のメリット・デメリットを簡単にまとめてみます。一年草タイプは花期が終わるたびに植え替えが必要になりますが、その分毎年農家さんが育てた元気いっぱいのよい苗を購入できますし、レイアウトの変更も自由です。寄せ植えする花を一年草にする場合は、一緒に植え替えられるように一年草サルビアを取り入れるといいですね。

宿根草タイプは大きく育つものが多く、一株でも見ごたえのある存在に。植え替えは頻繁にできないので、手を入れにくい庭木の足元や広い植栽スペースを埋めたいときにおすすめです。苗は一年草タイプより高価になりますし、また一年を通して育てなくてはならないため、開花期だけでなく、花がないときの姿や冬の姿などもイメージしながら植え付けるといいですね。写真は昨年5月に撮影した我が家のサルビア・レウカンサですが、今はこの3倍ぐらいの高さになりまして、犬はトンネルをくぐるように走っています。

いかがでしたでしょうか？一年草も含めて900種類もあるサルビア、今回は白や青紫の花が多かったですが、ラスティセージのようなアンティークカラーやイエローカラーなど様々な花色がございます。品種によって性質も様々なので、お庭でぜひ育ててみてくださいね。