門柱やフェンスの土台、土留めなど、外構工事の舗装で幅広く使われるコンクリートブロックの工事について解説します。耐久性が高く、デザインの自由度も高いため人気のコンクリートブロックの工事ですが、仕上がりの美しさや長く安心して使うためには、見えない下地づくりが欠かせません。
コンクリートブロックの特徴や種類、工事手順、お手入れ方法など、工事前にも知っておきたいコンクリートブロックに関する知識を詳しくご紹介します。
コンクリートブロックとは?

工場でコンクリートを成型加工した穴の開いたブロックのこと。外構工事においても、ブロック塀や土留めなど幅広い用途で使用されるコンクリート部材です。サイズや強度がJIS(日本工業規格)にて定められている無地のコンクリートブロックと、表面に縦格子や色があらかじめ塗られた化粧ブロックに大別されます。特に化粧ブロックは、表面のデザインや色など幅広いバリエーションが各社から発売されています。一方の無地のコンクリートブロックも、表面にタイルや塗装を施すことで、オリジナルのデザインに仕上げることができます。
コンクリートブロックの種類

コンクリートブロック
コンクリートブロックは基本的に高さ19cm、長さ39cmで統一されています。奥行き(厚さ)は10cm・12cm・15cm・19cmの4種類があり、その中でもブロック塀工事では12cmタイプがもっとも一般的に使われています。
コンクリートブロックには大きく分けて4つの形があります。
標準的な「基本型」、横方向に鉄筋を入れるための「横型」、塀の角に使う「隅型」、そして角の横部分に使う「横隅型」です。設置する位置や役割に合わせて、これらを組み合わせて使うことで安全なブロック塀が仕上がります。

化粧ブロック
コンクリートブロックの中には、表面に色や模様がついた装飾タイプがあります。ナチュラルなブラウン系や落ち着いたグレー系などがあり、ブロック塀をおしゃれに見せたいときにおすすめです。サイズは一般的な長方形だけでなく、正方形や細長いボーダー型などもあり、デザインに合わせて自由にお選びいただけます。

型枠ブロック
ブロック内部に鉄筋を入れ、コンクリートを流し込むことで高い強度を確保できるコンクリートブロックの一種です。一般的なコンクリートブロックよりも強度が求められる、高さのある土留めや敷地境界に多く使用されます。特にファサードまわりなど人目に触れる場所には、表面に意匠を施された型枠ブロックを使うことで、構造的な強さと美観にもこだわることができます。

有孔(透かし)ブロック
ブロック塀に見られる、穴の開いた装飾的なコンクリートブロックのこと。透かしブロックや有孔ブロックとも呼ばれ、光や風を通すことで、圧迫感を軽減し、ブロック塀全体を軽やかな印象にしてくれます。ただし内部に補強材が入らないため、通常のブロックに比べ強度は落ちます。そのため設置する際には、各メーカーが推奨する配置や施工基準を守ることが重要です。
コンクリートブロックを使用した塀の構造

コンクリートブロックを使用したブロック塀は砕石層、基礎部分とブロック部分の3種類の構造に分かれます。
砕石層は地面の沈下を防ぐ層で、ブロック塀の基礎を支えます。岩石を砕いた砕石(クラッシャーラン)と呼ばれる素材を敷き詰めた部分です。
真ん中の基礎部分はコンクリートブロックを支える部分で地中にコンクリートを流し込むことで工事します。コンクリート内には十分な強度を発揮できるように、コンクリートブロックと接続するための鉄筋を縦横に通します。
鉄筋で接続されたコンクリートブロックはより強度を増すため、一番下のブロックの一部を地中に埋めます。地中に埋まっている基礎部分を「根入れ」と言い、塀の高さや地盤の状態によって適切な深さは変わります。根入れは、ブロック塀が大きく傾くのを防ぐ重要な役割を担っています。
コンクリートブロックをつなぐモルタルについて

モルタルとは、セメントと水、砂を混ぜたものです。コンクリートブロックやレンガ工事の際、接着材としてこのモルタルを使用します。ブロックとブロックの隙間はもちろん、横筋と呼ばれる水平方向に差し込む鉄筋を通す窪みにもモルタルを充填することでブロック塀の強度向上を図ります。後から表面を加工する通常のコンクリートブロックの場合は縦と横に目地を設けますが、化粧ブロックなど目地がデザインを阻害する場合は目地を設けない工事を行う場合があります。
コンクリートブロック塀の高さの基準について
コンクリートブロックを積んだブロック塀の高さについては建築基準法施行令にもとづき、上限高さ2.2m以内と定められています。
ブロック塀の高さが160cm以上を超える場合は控え壁と呼ばれる、壁に垂直にせり出したブロック積みが必要となります。ブロック塀の高さや長さ、フェンスの設置の有無、設置場所や使用用途により、安全な砕石や基礎の厚さは変わってまいります。ガーデンプラスではより多くのお客様に安心の外構をお届けできるよう独自の工事基準を設け、安全な工事を心がけております。
コンクリートブロック塀の役割

ブロック塀は、視線を遮ってプライバシーを守るだけでなく、防犯や防災の面でもご家族の暮らしを支える頼もしい存在です。コンクリート製のため頑丈で、万が一の火災時には延焼を防ぐ役割も果たします。隣家との境界に設置することで安心感が高まり、住まい全体の印象もぐっと引き締まります。
コンクリートブロックの工事手順
❶ 基礎の土を掘る
ブロック塀の基礎を設置するため、土を掘ります。境界ブロックなどの場合で古い基礎を取り除く場合は、電動ドリルを使用するため大きな音が発生します。また重機が入らない場所も多く、手作業での運搬となる場合もあります。深さはブロック塀の高さや地盤の状況に応じて変わります。
❷ 砕石を敷き詰めて固める
コンクリート基礎の沈下を防ぐため、砕石と呼ばれる砕いた石を敷き詰めます。多くが手作業で行われ、職人が一輪車を使って運搬します。敷き詰められた砕石は転圧機などで固められます。
❸ 型枠と鉄筋を組む
ブロック塀の強度を高める鉄筋を固定するための、基礎のコンクリートを流し込む型枠と鉄筋を設置していきます。ブロック塀が垂直に立っていられるための重要な工事です。鉄筋はコンクリートが固まった表面から飛び出るよう設置いたします。先端は尖っており危険ですのでキャップ等を使用してケガの防止を行います。掘削から型枠の設置までにかかる時間は、門柱など工事範囲が狭い場合は、1日で終わることもありますが、外周の壁など、工事範囲が広い場合は数日の時間を要します。
❹ 基礎用のコンクリートを流し込む
型枠内に基礎コンクリートを流し込みます。流し込みの作業自体は1回ですが、コンクリートが固まるまで1日~5日ほどの時間がかかります。基礎が完成してようやくブロック積みの工事に入ります。1段目のブロックを工事後は埋め戻し(根入れ)を行います。
❺ モルタルを練る
コンクリートブロック同士の接着材となるモルタルを練ります。モルタルは水を含んだ瞬間から硬化が始まりまるため、モルタル材と水を工事現場内にて練り合わせます。かくはん機やミキサーを使用するため、多少の音が発生しますが、使用時間は長くありません。清掃や混ぜ合わせるための水で水栓の使用を依頼させていただく場合がございます。ご了承ください。
❻ コンクリートブロックを積む
モルタルを下段のブロックに載せ、その上にブロックを重ねていきます。同時にコンクリートブロック内部にもきちんとモルタルを充填。この充填が不十分だとコンクリートブロック同士の接着が不十分になり、十分な強度が出ないため倒壊などの危険を防ぐため、丁寧に作業を行います。さらに高さに応じて横筋と呼ばれる鉄筋を水平方向に通し、ブロック塀の強度を向上させます。コンクリートブロックは1個1個わずかなゆがみも許されない、高い技術力が必要な作業です。そのため職人が一つ一つ丁寧に手作業で工事を行います。門柱のような小さな壁では5~6段、長い塀であれば1~2段を1日で工事します。
❼ 表面を仕上げる
門柱やブロック塀の場合は表面を塗装やタイルなどで仕上げを行います。仕上げの方法や面積により、工事にかかる日数が異なります。化粧ブロックを使用する場合はこの工程が省略されます。また土留めや境界などでは、特段コンクリートブロック表面の仕上げを行わないことも多くあります。
コンクリートブロック塀の工事期間
ブロック塀工事の所要時間はおおよそ3日から7日程度が目安ですが、この期間は設置する塀の長さや高さ、仕上げ方によって変動します。そのため、具体的な工事期間につきましては、現場担当者にお気軽にお尋ねください。
既存のブロック塀を取り壊して新しくするリフォーム工事では、ブロック塀の解体作業に時間がかかるため、通常より工期が長くなることがあります。
また工事期間中は、電動工具の使用や清掃等のため、電気や水道をお客様宅からお借りすることが一般的です。電気が使用できない場合は発電機を使用して対応しますが、その場合は大きな音が生じます。
コンクリートブロック塀工事の助成金について
地震時に倒壊の危険性があるブロック塀等(※1)を解体する場合、自治体によっては補助金制度を利用できる場合があります。補助制度の有無や対象、金額は自治体ごとに異なりますので、お住まいの市区町村のホームページで最新情報をご確認ください。
※1 コンクリートブロック塀・万年塀・石積み塀・レンガ塀 等
ガーデンプラスのコンクリートブロックの工事基準
ガーデンプラスでは、ブロック塀の品質が保てるよう、用途や高さなどに応じて細かく工事基準を設定いたしております。強度面はもちろん、価格面でも適正となるよう設計いたしておりますので安心してお任せください。
コンクリートブロック塀の掃除について

基本的な掃除方法
砂やほこりなど軽度な汚れはスポンジを使った水洗いでブロック塀を掃除してください。仕上げ材の種類によってお手入れ方法は多少異なりますが、基本は水で洗い流すのが一番シンプルで効果的です。外にあるブロック塀は、排気ガスや埃でどうしても汚れてしまいます。それでも定期的に洗浄をしてあげれば、美観を保てるだけでなく、劣化を防ぎ長持ちさせることができます。コンクリートブロック塀の耐久性を守るためにも、こまめなお手入れが大切です。
症状別の掃除方法

カビ・コケ
ブラシなどでこすっても落ちないカビやコケは、ブロック塀にも使えるアルカリ性のカビ落とし洗剤を使用してください。タイルの目地にはペースト状にした重曹を塗り、30分程度してからこすり落とすときれいに汚れが落とせます。

白華現象
白華はアルカリ性の炭酸カルシウムが原因のため、酸性の洗剤での洗浄が効果的です。軽い白華であれば、クエン酸などでも対応できます。白華部分に吹きかけ、ブラシなどでこすり落とす方法も有効です。
POINT
- ブロック塀に洗剤を使用する場合は、必ず成分を確認の上、目立たない場所で試してから使用することをお勧めいたします。
- ブロック塀は頻繁に洗いすぎると傷むことも。強すぎる洗浄は表面を傷めるおそれがあるため、洗剤を使った洗浄は1年に1~2回をお勧めします。ブラシでの清掃や高圧洗浄機を使用する際は、ブロック塀表面に負荷をかけすぎないよう、噴射の角度や距離、力加減に注意しながら洗浄してください。
- 白華現象自体は商品の欠陥ではなく、ブロック塀の耐久性を損なうものではありませんのでご安心ください。





