今が植え時!早春のお庭を飾るクリスマスローズ
宿根草の中でも丈夫で育てやすく、ガーデナーにも愛好家の多いクリスマスローズをご紹介します。

こんにちは!ガーデンプラスの中川です。
早いもので11月ももう後半。秋・冬花壇への草花の植え替えはもちろん、チューリップなど秋植え球根を植えて、来年の春の準備を始める季節になりました。
今回はいちはやく早春のお庭を彩る「クリスマスローズ」をご紹介いたします。今が植え時のクリスマスローズは、ホームセンターや園芸店でもたくさん種類が出回っていますので、ぜひお好みの品種を花壇に迎えてみてはいかがでしょうか?
■そもそもクリスマスローズって…
実は、日本で「クリスマスローズ」と呼ばれる花のほとんどが、クリスマスにも咲かずバラの仲間でもないのです…!
日本で「クリスマスローズ」と呼んでいる花々は、キンポウゲ科ヘレボルス属の品種。ですが、欧米で「クリスマスローズ」と呼ぶのは原種の「ニゲル」という品種のみで、総称は「ヘレボルス」です。
ではなぜニゲルが「クリスマスローズ」と呼ばれるようになったのでしょうか?ニゲルには「キリストの生誕をお祝いするための品がなく、嘆いた少女の涙から生まれた花」という伝説があります。少女はこの花でキリストの生誕を祝ったそうで、また数多くのヘレボルス属の中でニゲルはいちはやく12月末の時期から咲きだします。そのため「クリスマスローズ」と呼ばれるようになったとのこと。
日本にはいちはやく江戸末期に渡ってきて、茶室に合う花として楚々とした姿が愛されてきました。日本の中では、「ヘレボルスといえばニゲル、ニゲルといえばクリスマスローズ」と愛称が広まったようです。シンプルで美しい純白のニゲルは、確かに神々しさや純粋さを感じられる花ですね。冬の庭に咲く姿は、椿や山茶花のように日本人にも愛される要素があると思います。
現在市場に多く出回っているヘレボルスは、オリエンタリス系などニゲル以外の原種を園芸用に交配したハイブリッド種がほとんどです。4月のレンテン節のお祝い頃に咲くことから、「クリスマスローズ」に対して「レンテンローズ」とも呼ばれています。
クリスマスに咲くでもなく、ローズの仲間でもない「クリスマスローズ」。印象的な呼び名が定着してしまっているので、ヘレボルスと呼ばれるのはまだまだ先になりそうですね。
■カラーも花びらも様々なハイブリッド種
クリスマスローズが世界中で愛される理由は、花の少ない時期に春の早い時期に開花することのほか、丈夫で咲かせやすいこと、品種改良が容易で毎年様々な品種が生まれることも挙げられます。
また花びらのように見えるところは実は「ガク」で、アジサイと同じつくりをしています。そのため観賞時期も非常に長く、一か月ほど花(ガク)のある姿を眺めることができます。大株になると花もたくさん咲き、常緑の葉は意外とギザギザしていて硬い…うつむいた清楚な姿からは想像できないほど丈夫な宿根草なんです。
カラーは白、イエロー・グリーン系、ピンク系、パープル・ブラック系が一般的。花びらの数はシングル(一重咲き)、ダブル(八重咲)のほか、アネモネ咲きやセミダブルといった咲き方も。
上の写真は一重咲き(シングル)でパープル・ブラック系のクリスマスローズ。グリーンやパープル、ブラックといった色は花全体の中では珍しい色なので、お庭にシックな印象を演出できます。
花びらの縁を染めるような「ピコティ」といった色の入り方をする品種などがメイン。上の写真はピコティの中でも輪郭線のように細く色づくことから「糸ピコティ」と呼ばれます。
かけ合わせ方で本当に様々な花が見られ、毎年のように新しい品種が出るので、自分好みのものはコレクションしておくというガーデナーも少なくありません。
■苗の選び方・育て方
もともとヨーロッパの冷涼で乾燥した地域の植物のため、植える場所は湿気が少なくて真夏の直射日光が避けられるようなところがベストです。
上の写真は施工させていただいたお客様のお庭。2株のクリスマスローズが庭木の足元にしっかり育っています。写真のように、冬に葉を落として日当たりがよくなり、夏は枝葉を延ばして木陰を作ってくれる落葉樹の足元は最適。他には、冬には斜めの陽射しが入るような日陰の庭などがおすすめです。また肉厚の葉は一年中落ちませんので、緑がほしいなと思うところにも重宝します。
こちらは路地の脇で育っていたヘレボルス。落葉樹や球根植物に囲まれた場所で大きく育っていて、近所の方が支柱を立ててくださっているようです。
初めて育てる方は、咲く花が分かりやすい「開花した苗」や、花がつきやすい「株はしっかりしているが葉の少ない苗」をおすすめします。庭植えはもちろん、鉢植えでも育てられます。病害虫の少ない種類ですが、風通しがよくないときや多湿の環境下ではカビやウイルス性の病気にかかることがありますので、風通しを悪くする雑草や水のやりすぎにはご注意ください。
いかがでしたでしょうか?
園芸種としての歴史も古く、お花も様々に楽しめるクリスマスローズ。常緑の多年草なので、花のない季節もお庭の彩りになります。植物をあまり育てたことのない方もぜひチャレンジしてみてくださいね。

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。日本では「クリロー」と略されるほど愛されていますが、和のガーデンにもよく合います。うつむいた花の姿はクリスマスローズならでは…ぜひお庭にお迎えください!
ガーデンプラス本部
Web担当
中川知春
お客様の目線に立って、お庭の楽しみ方や情報をお伝えしていきたいと思います。