引き算デザインで個性を際立たせた新築外構

こんにちは、ガーデンプラス岐阜の三ツ岩です。

皆様はデザインをするとき、足し算・引き算ということを意識されますでしょうか？ちらしなどを考えていただくとイメージしやすいと思いますが、例えば「店名を目立たせたい」というときに、文字に色をつけたり赤線で囲ったりするのが足し算のデザイン。逆に店名のまわりにデザイン要素を入れずに読みやすくすることで目立たせるのが引き算のデザインです。

外構でも同じように、足し算のデザインで強調しながら見せることもあれば、引き算のデザインでインパクトを狙う方法もございます。
今回は引き算デザインでお住まいとの調和を目指した新築外構をご紹介いたします。

お客様からは、
・目隠しをしつつ、圧迫感のないデザインにしたい
・特に玄関を見えない工夫をしたい
と、ご依頼をいただきました。

早速施工前のお写真をご覧ください。

青い外壁が素敵なお住まいです。青は施主様のイメージカラーとのことで、直線で構成されたモダンな建物を更にシャープにすっきり見せてくれています。建物正面中央に玄関があるため、このままアプローチを作ってしまうと施主様が懸念されている通り、玄関が丸見えになってしまいますね。

こちらが施工後のお写真です。

玄関前にアプローチを作りつつも、正面には門柱を作ってアイストップにし、玄関が丸見えになるのを防ぎました。また駐車スペースとお庭の間には横板の目隠しフェンスを設けています。

早速施工ポイントごとに詳しくご紹介させていただきます。

ファサード前方の空間は駐車スペースとして利用されるため、カラーコンクリートを打設。グレーとグリーンの市松模様に施工しました。淡めの色を使うことで、正面から見たときには床面の印象はぼやけ、建物の青がはっきりと引き立ちます。中央はアプローチになるため、青の反対色であるオレンジ系の透水性コンクリートでラインを入れました。これも視線をお住まいへ集める設計のひとつです。

建物が直線的な形をしているため、カーポートもフラットな屋根タイプのアイテムを採用しました。カーポートはファサードの主役となるほど大きなエクステリアですので、お住まいの雰囲気を損なわないデザインを選ぶことが重要です。

お庭を道路から目隠しするため、駐車スペースとお庭部分を区切るように化粧ブロックを積み、横板フェンスを立てました。施主様のイメージカラーである青いフェンスをご希望いただいたのですが、フェンスをすべて青にすると重たい印象になってしまうため、横板1枚分だけ青を取り入れ、ラインになるように並べました。馴染み色のベージュカラーに１色だけ入れることで逆に目立たせることができ、すっきりとした印象になります。
また左右のフェンスの位置を前後にずらしたことで、正面からは目隠しをされているものの、ほどよく隙間が空いて圧迫感がありません。

横から見ていただくとわかりますが、正面左手の建物と駐車スペースの間に前庭を設けています。通常は四角く作るところですが、あえてカーブをかけてブロックを積み、柔らかい雰囲気を持たせるようにしました。アプローチ階段も、お庭のカーブに沿って蹴上部分のピンコロ石を扇状に並べています。お住まいに合わせてカーポート、駐車スペースも四角や直線を意識させましたが、その中にお庭だけカーブを使うことでアクセントとなり、よりお住まいが引き立つようなデザインを目指しました。

フェンスや芝面は直線ですので、隙間に大きな砕石を入れて区切った印象が薄れるようにしています。ロックガーデンのようなナチュラルな雰囲気にもなるので、岩の間に植栽などを追加されてもよいですね。

いかがでしたでしょうか？
新築外構は統一感を持たせるためにお住まいとの調和を意識しますが、あえて使う分量を減らしたり、違う要素を取り入れることでより引き立たせる「引き算」のデザインも有効です。モダンな外構にしたいというお客様は、ぜひ引き算のデザインも意識してみてくださいね。