植えっぱなしでも綺麗な花が咲く！球根植物の種類や育てるポイントをご紹介

こんにちは。ガーデンプラスの中川です。
最近暑い日が続き、庭に朝水撒きをしても夕方にはカラカラに乾いてしまうようになりました。
大切に植えた草花はしょんぼりしていますが、雑草は生き生き…植物の生命力ってすごいですよね。

ところでガーデニングをしていて手間だなと思うのが、植物の植え替え。
新しい花を植えるのは楽しみでもありますが、花が終わった株を掘り起こしたり、土を入れ替えたりと何やかやの手間で時間がかかってしまうというのが、ガーデニングを敬遠する方の悩みのひとつではないでしょうか？

「手間はかけられないけれど、花は楽しみたい」という方に、本日は植えっぱなしで季節が来ると花が咲く球根植物のご紹介をいたします。
植えっぱなしというだけあって、場所をあまり選ばず自然に大きく成長してくれる植物を選びました。公園や道端で見つけた、比較的強健で一般的な植物です。

植え替えをしなくていいということは、庭木の根本や手の届きにくい場所の植栽にもぴったりです！

まずはどうして多年草じゃなくって球根にこだわるかというところからご説明いたします。

1.球根自体の力がすごい
球根を水耕栽培で育てられた経験はありますでしょうか？小学校のときによく理科の授業で出てきましたよね。
球根はそれ自体に花を咲かせるまでの栄養が蓄えられているので、種ほど発芽条件や栄養に神経質にならなくて良いのです。

2．来年に備えてくれる
球根植物は、花を咲かせたあとはしばらく葉から作った栄養を球根に貯め、また来年に備えて準備を始めます。
地上に出ている葉や茎が枯れたころには球根の準備が完了したというサインなので、チューリップなど日本の気候に合わない種類は掘り上げて管理しますが、気候に耐えられるものはそのまま休眠期に入ります。
肥料をこまめに与えたり、場所を入れ替えたりしなくても十分花を咲かせてくれる性質です。

3.どんどん増える
球根植物は、種をつけるものもありますが、ほとんど分球したり株を大きくして増えていきます。よく畑や川べりで群生しているスイセンやヒガンバナなども球根植物です。
特に植えっぱなしで構わないという球根は、日本の気候に合っている植物です。
落葉して休眠する期間もありますが、季節が廻ればまた花を咲かせてくれる…季節の訪れを告げてくれる花々ですので、本当に育てやすいです。

1個でも十分強健で生きていけるいうところが球根植物のいいところ。たくさん子孫を残すのではなく、1球に力を注ぐ生き方をしていますよね！
それでは植物のご紹介に移ります。

・スイセン

地中海沿岸に自生していたことからヨーロッパで品種改良が進んでいますが、日本にも「ニホンスイセン」という種類があり、川べりや斜面でも群生をよく見かけます。
9月終わりごろから植え付け、晩秋から春にかけて咲きだします。夏頃には地上の葉が枯れて休眠します。夏に葉が枯れるまで放置しておく（光合成で栄養を球根に貯めるため）という点以外は、特に手間をかけなくても年々大きく増えていきます。

・スノーフレーク

スノードロップとよく混同されますが、こちらがスノーフレーク。私はスノーフレークの方が見かけることが多いです。スイセンに似た葉にスズランのような白い花が咲きます。秋に球根の植え、2月から葉が伸びだし、3月頃の開花です。小さな花なのでまとめて植え付ける方がよいです。こちらも公園や道端で群生を見かけられます。

・ムスカリ

春の花壇でよく見かけるムスカリも球根植物で、どんどん分球します。花のシルエットが独特なので寄せ植えにも重宝される存在。背丈が低めなので、グラウンドカバーにもおすすめです。10月頃から植え付け、3月頃から開花します。花自体は小さいので、こちらもまとめて植えつけておくと、春の花壇に爽やかな青い花を咲かせてくれます。分球した小さな球根は土中に残ったままになっていることもあり、花壇の端で忘れ形見のようにひっそり咲いていることもあるんですよ。

・アガパンサス

公園や道端によく植えられているアガパンサス。交差点に面した植栽スペースなどにも植えられていて、花の少ない真夏に背丈の大きな涼しげな青い花をつけます。常緑種と落葉種があり、年々株が大きくなります。秋か春に植えると、5月から盛夏にかけて花が咲きだします。また品種も背丈も大きくなるものから小型のもの、青みの強いものから白いものまで様々です。苗もよく売られています。

・クロコスミア

夏らしい鮮やかな赤い花をつけるクロコスミア、南アフリカ原産だけあって暑さや乾燥に強いです。4月前後に植え付けるとその年の夏には咲きだしてくれ、あとは冬に球根が凍らない程度の環境であれば、植えっぱなしでどんどん株が大きくなっていきます。

・サフラン

サフランライスなどスパイスとしても知られている植物ですが、クロッカスの仲間で、クロッカスは秋植え・春咲きなのに対して、サフランは夏植え・秋咲きの植物。今のところ紫色の花しかありませんが、クロッカスと同じように水耕栽培できるほど球根に力が蓄えられています。小さなスペースに植えたり、鉢植えで楽しむのもおすすめです。

似た仲間に「イヌサフラン」という種類がありますが、こちらは毒性がありますので植える際にはご注意ください。

・植えた場所を忘れない

常緑性のものを除いて1年を通して葉がついているわけではないので、植えた場所を覚えておくことです。花を植えようと思って掘り返してみたら球根を割ってしまったということもよくあります。
実は、球根の上に違う種類の植物を植えても問題ありませんので、休眠期に入って景色が寂しくなったら、近くに横に広がるタイプの一年草を植えてしまうのもおすすめです。

・毒性のある球根には気を付けて

植えっぱなしでいいということはそれだけ自衛手段を身に着けた植物であるということで、球根植物には毒性が含まれるものがあります。
今回ご紹介したスイセンのほか、夏植え秋咲きのヒガンバナには花や葉にまで毒が含まれています。触るだけなら問題ありませんし、食べてしまっても死に至るほどの量ではないですが、わんちゃんや小さなお子さまがいるご家庭は十分注意してください。

もし食べてしまう危険性を感じたら、鉢植えにして手の届かないところに置いたり、柵をつけるなどして対策をしてください。

いかがでしたでしょうか？
植えっぱなし球根や多年草を上手に植え付けておくことで、手間をかけずに一年中花のあるお庭が楽しめます。
時間がないけれど花を楽しみたいという方はぜひ一度挑戦してみてください。