お庭にもおすすめの日本のバラ「ツバキ」
庭木としても古くから愛されてきた早春の花「ツバキ」をご紹介いたします。
ツバキの歴史
東北以南に自生していたツバキは、元々油を採るための植物として親しまれてきました。種から採れるツバキ油は、現代でも日本女性のヘアケアに使われていますよね。そのころはまだ「作物」だったツバキが、観賞用として大きく発展したのは江戸時代。2代将軍徳川秀忠がツバキの花を愛して作らせた椿園には、諸国の大名が献上した各地のツバキが集まりました。逆に各地へ持ち帰られたツバキもあり、各地で交配が進んで、地方独特の花姿が作出されています。
また長崎の出島からヨーロッパへも持ち帰られ、雪深いヨーロッパでも咲く花として愛好されました。イングリッシュガーデンでも早春にツバキの花を見ることができます。現在もヨーロッパはもちろん、アメリカやニュージーランドでも作出されています。
サザンカとの違い
同じツバキ科の植物で、冬に咲く植物に「サザンカ」があります。サザンカも日本固有種で、よくツバキと間違われます。
もっとも大きな違いは花の散り方で、ツバキは花ごとポトリと落ちるのに対し、サザンカは花びらが一枚ずつ落ちていきます。また葉を日に透かすと、ツバキは葉脈が見えますが、サザンカは葉脈が見えません。ツバキと比べて小ぶりで繊細な印象の葉っぱです。日陰にも比較的強いので生垣として使われることが多いのですが、この強健さを生かしてツバキの接木用の台として使われることもあります。
また同じツバキ科の植物で世界中に知られているのがチャ(茶)の木。よくよく見るとツバキの葉と似ているのがわかります。
庭木として育てるなら
常緑で強健な種類が多く、開花期も長いツバキは、古くから日本のお庭に植えられてきました。育てやすいものの、成長は比較的遅めなので、苗から育てるよりもある程度大きくなった木のほうが見ごたえがあります。育てやすいとは言え、大輪種を咲かせるのにはやはり肥料など手間暇かかるものです。初心者の方は小型~中輪種を選び、小さくてもたくさん咲かせるところから入ってみましょう。おすすめは上方つばきの代表「加茂本阿弥」や、これぞツバキという風情の「出雲大社ヤブツバキ」などなど。実は鉢植えでも楽しめるので、気に入った品種を大きな鉢に植え替えて楽しむのもいいですね。
また上に伸びる立性タイプならば狭いお庭にも植えられますが、横に広がったり這性の品種もありますので、その場合は周りに余裕をもって植えるようにしてください。比較的日陰にも耐えられますが、明るい日陰や半日陰(午前中だけ・午後だけ日が当たる)といったところがおすすめです。
もっとも気を遣うところは、春先の「チャドクガ」というツバキ科につくガの幼虫(毛虫)の発生です。卵のときから毒をもっていますので、素手で触らないようにしてください(虫が死んでも毛には毒がありますからご注意を!)。虫のついた葉ごと捨ててしまうか、殺虫剤で駆除します。また夏ごろに枝を剪定して、風通しを良くしておくことも重要です。
ツバキはこれから各地で見ごろを迎えます。ぜひ花の姿に着目して各地のツバキ園を散策し、お庭に迎えたい品種を探してみてはいかがでしょうか?
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ツバキは枝変わりといって、一つの株なのに一枝だけ遺伝子が変異して変わった花がつくことがあります。その枝をまた接ぎ木して新しい品種を作り出すことができるので、これほどバリエーション豊富になりました。公園などでもぜひ枝変わりのツバキを探してみてくださいね。
ガーデンプラス本部 担当:中川知春
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